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第1航空艦隊はハワイ作戦を前に日本海軍が保有する大型の正規空母、6隻を一つに纏めた世界初の空母機動艦隊である。
というのが一般的であるが、実際には艦隊編成において多少の誤解があるようだ。
第1航空艦隊は空母によって編成される航空戦隊(第1・2・3・5航空戦隊)によって編成されるがその他の戦艦・巡洋艦・駆逐艦等の護衛艦艇はそれぞれ第1・第2艦隊から借りてきた臨時編成の艦隊である。
本来、正規の艦隊といえる第1艦隊が『横綱』であれば第1航空艦隊は『出張横綱』とも言えるであろう。
空母機動部隊が正規の艦隊になるのはミッドウェー海戦後のことであり、名称も『第3艦隊』と変更することとなる。
何はともあれハワイ作戦に参加した第1航空艦隊は司令長官の名前から『南雲機動部隊』と呼ばれる。
艦隊編成 |
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第1航空艦隊 |
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(空襲部隊 指揮官:南雲中将) |
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第1航空戦隊 |
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赤城・加賀 |
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第2航空戦隊 |
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飛龍・蒼龍 |
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第5航空戦隊 |
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翔鶴・瑞鶴・秋雲 |
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直衛部隊 |
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(支援隊 指揮官:三川中将) |
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第3戦隊(第2小隊) |
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比叡・霧島[第2艦隊より臨時編入] |
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第8戦隊 |
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利根・筑摩[第2艦隊より臨時編入] |
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(警戒隊 指揮官:大森少将) |
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第1水雷戦隊 |
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阿武隈[第1艦隊より臨時編入] |
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第17駆逐隊 |
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浦風・谷風・浜風・磯風 |
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第18駆逐隊 |
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霞・霰・陽炎・不知火
[注:第18駆逐隊は第2水雷戦隊より臨時編入] |
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警戒部隊 |
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(指揮官:今泉大佐) |
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第2潜水隊 |
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伊19・伊21・伊23[第6艦隊より臨時編入] |
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補給部隊 |
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(指揮官:極東丸特務船長) |
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極東丸・建洋丸(健洋丸?)・国洋丸・神国丸・東邦丸・東栄丸・日本丸 |
以上のように第1航空艦隊本来の戦力は空母6隻と駆逐艦1隻である。他の直衛艦は全て他の艦隊からの借り物であった。
しかし当時世界中で正規空母を6隻も集めた艦隊は存在せず、攻撃力において世界最強の艦隊であった。
ただし、防御面・運用面においては必ずしもそうではない。むしろ多くの欠点を有していた。
だが、その圧倒的攻撃力は多くの欠点を補ってあまりある程であり、東はハワイから西はインド洋まで連戦連勝の活躍であった。
攻撃力の原動力は空母に積まれた艦載機であり、これまた世界最強と言われた零式艦上戦闘機(通称:ゼロ戦)をはじめ、多くの航空機そして搭乗員達によって成し遂げられたのである。 |
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