大日本帝國海軍艦上爆撃機
九九式艦上爆撃機一一型
ハセガワ 1/48 九九式艦上爆撃機一一型
作例は昭和16年12月8日、真珠湾攻撃に参加した空母『蒼龍』搭載機。
第二次攻撃隊第二集団(艦爆隊)を率いた蒼龍飛行隊長 江草隆繁少佐の乗機であり、恐らく太平洋戦争に参加した海軍航空機の中でもっとも派手な塗装を施した機体であろう。
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製作にあたり考えたのはただ一つ。もっとも派手な機体にする・・・で浮かんだのが江草少佐機であった。参考にしたのはモデルアート社発行の『真珠湾攻撃隊(93年10月増刊号)』に掲載されている折込イラストである。
ハセガワのキット説明書の塗装例として描かれている江草少佐機もこれを参考にしている為、恐らく資料としてはもっとも一般的なものである。だが違いは緑黒色の塗装状態である。
作りたかったのはあくまでもイラスト仕様である為、緑黒色をベタ塗り塗装にはしたくなかった。多少ムラがある感じで・・・
結局完成した作品は微妙に違うというか、色の調合を間違えたのかちょっと明るい感じに仕上がってしまった。まぁ気に入ってるから問題なしということで。




【余談】

この機体、真珠湾攻撃に参加した九九艦爆の中で唯一の緑黒色塗装を施した機体・・・だと思う。実はこの当たりの資料に整合性が取れていない。
参考にした同誌によると蒼龍艦爆隊は『九九艦爆一一型は濃緑色と青色のマダラ迷彩が施され・・・』と記されているが、同誌に掲載された真珠湾攻撃機全機のカラーイラストでは江草機以外に濃緑色・青色のマダラ迷彩を施したものは無い。
掲載されている写真にも真珠湾攻撃時のもので二航戦の九九艦爆が写されたものは無い。唯一蒼龍艦載機の九九艦爆が濃緑色黒色迷彩で写っている写真は1942年のものであり、恐らくジャワ島攻略戦に参加した時のケンダリー基地でのもののようだ。
唯一濃緑色系を塗装し、また赤虎と呼ばれる本機だけ(・・・のようだ。)
この赤虎に関しては真珠湾攻撃時に応急的に塗装されたようである。他に攻撃隊総指揮官機である淵田中佐の九七艦攻が同様の塗装を垂直・水平尾翼に施している。(胴体部は所属艦を示す赤帯1本のみ)
また艦爆隊では瑞鶴艦爆隊の高橋少佐機が胴体部に、飛龍艦爆隊の小林大尉機が主翼上面に赤い斜線を、中川大尉機が主翼と胴体部に白地に緑の流線模様の空中指揮官機標識を施したと伝えられている(・・・のだが、未確認)
兎に角二航戦、その中でも九九艦爆に関しては当時の写真資料が少なく、はっきりとした確認が取れない状態である。

九九式艦上爆撃機に関する解説
(2008.10.19 完成)